生物科学


Vol.51-55 1999―2004
Vol. 55 2003―2004
No. 4
巻頭言:「現代生物学論」に向けて
特集:追悼・太田邦昌 掲載されている太田氏の遺稿について / 〔遺稿〕近世日本農業の一大文化遺産にして近世生物思想の 一 大宝庫 ―『日本農書全集』(農文協発行 1977―2001年)の完結に寄せて― / 太田邦昌とその「世界像」/ 太田邦昌氏追悼 ― “物理生物学者” ロトカに魅せられた人 ― /太田氏との12年 / 太田氏との12年 / 太田邦昌さんの思い出 / 太田邦昌氏の系統分類学理論 ― 体系学史における位置づけと限界 ―/ 太田邦昌君の死を悼む
総説:種内子殺し要因論再考 ―「種の繁栄のため」仮説は実在か ―
書評:『トビムシの住む森』『雪山の生態学 ― 東北の山と森から』『“みなか”の書評ワールド』
No. 3
巻頭言:動物園の未来像
特集:アカデミズムと動物園 学術の異様な変貌,そして動物園への期待 / 日本の動物園における研究 ― その過去・現在・未来 ― / 動物園の研究への取り組み / 学術プロジェクト・大学と動物園 ― 文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクト ― / 動物園と学術研究の協力関係:ウォルフガング・ケーラー霊長類研究所 / 動物園現場における研究の現状と動物園アカデミズムへの挑戦/ 動物園・水族館と動物学:その史的展開
書評:『トゲウオの自然史 ― 多様性の謎とその保全 ― 』『地生態学入門』『保全遺伝学』『甦るダーウィン:進化論という物語り』『里のサルとつきあうには ― 野生動物の被害管理』『“みなか”の書評ワールド』
No. 2
巻頭言:不思議な「生物科学」
特集:日本の生物はどこまでわかっているか ― 既知の生物と未知の生物 ― はじめに ― 日本分類学会連合の活動 / 日本分類学会連合による日本産生物種数調査 / 日本に魚は何種いるのか ― 既知種と未知種をめぐる問題 ― /マムシグサは1種か30種か ― これから始まる種の構造解析 ― /葉緑体の水平伝搬がもたらした藻類多様性 ― 切っても切れない原生動物との関係 ―/ 新種の宝庫,土壌ダニの世界
総説:兵隊生産のロジスティック・モデル
書評:『生態観察ガイド 伊豆の海水魚』『ヒューマン・エソロジー』『群集生態学』『群集生態学の現在』『植物のかたち ─ その適応的意義を探る』『植生環境学 ― 植物の生育環境の謎を解く ―』『“みなか”の書評ワールド』
No. 1
巻頭言:55年目を迎えた『生物科学』
特集:科学論は科学の敵なのか?― 科学をめぐる言説のゆくえを見据える ― セミナーをもつに至った事情 / 科学論の社会的役割 / 科学論が生産的であるために / 科学論は科学からみれば〈たわごと〉なのかもしれない / ツカえる科学論へ ~ 科学論の非専門家である参加者から科学論への提言 ~
総説:海産魚類の資源量変動様式の南北差 ― 北の大変動と南の安定 ― / 行動多型と適応的な脳の形成 ― 社会性昆虫のカースト分化とカースト転換 ―
談話室 : “知の巨人” 立花隆氏に対する批判の書を読んで
書評:『地形植生誌』『水辺林の生態学』『森のねずみの生態学』『これから論文を書く若者のために』『クイア・サイエンス ― 同性愛をめぐる科学言説の変遷 ―』『ハエ学 ― 多様な生活と謎を探る ―』『生物学名概論』『日本淡水産動植物プランクトン図鑑』『トゲウオ,出会いのエソロジー』『“みなか” の書評ワールド』

Vol. 54 2002―2003
No. 4
巻頭言:日本生物地理学会の意義
特集:生物地理学の次元 汽水魚・通し回遊魚における地理的分化と生殖隔離の維持機構 / 東アジア島嶼域における爬虫類の生物地理 ― 分子と形態から見た地理的分布 ― / カザリシロチョウの分子系統解析から見えてきたこと
総説:ゲノムサイエンスと遺伝子研究 / プラスチド核様体の構造とグローバルな機能調節
書評:『熱帯雨林の生態学 ― 生物多様性の世界を探る ― 』『森林の環境・森林と環境』『里山の生態学』『生物進化とハンディキャップ原理』『アニマルサイエンス(全5巻)』
『自殺する種子』『ちょっと待ってケナフ!これでいいのビオトープ』『砂浜海岸の生態学』
No. 3
特集:樹木の形作りと生き方 ―「枝葉末節」から本質へ はじめに / 木の形作りと資源獲得―次の一歩はなにか / シュートが作る木,木が作るシュート / 樹体内の光合成産物の移動と樹木のモジュール性 /シュート内の物質分配は茎の通導機能と力学的支持機能のどちらを規範として行われているのか? /「樹形のパイプモデル」は「樹形」をどこまで説明できるだろうか? ― スギとヒノキの場合 ― / シラカンバの樹木モデル ― データ収集からモデル構築まで ― / 木を見て森も見る ― 幹・枝構造の成因と群落動態へのかかわり ― /樹木・森林生態学「よく出る」誤用統計学の基本わざ
No. 2
特集:ゲノムサイエンスをめぐって イネゲノムシーケンス解析の現状 / アネキシンA5の細胞外機能 / 精子運動を司る細胞内情報伝達機構 / ゲノム解析の光と影 / ゲノム時代の人工生命/ フィールド研究と数理モデル研究
追悼:沼田眞さん追悼
書評:『新・昆虫記』『虫喰う鳥,鳥喰う虫 ― 生存の自然誌』『ジュゴンの海と沖縄 ― 基地の島が問い続けるもの ―』『爬虫類の進化』
No. 1
特集:霊長類研究と人間研究の橋渡し 「見る目」から「見せる目」へ ― ヒトの目の外部形態の進化 ― / におい信号における性的コミュニケーション:チンパンジーとヒトを中心に /チンパンジーにおける母子のコミュニケーションと社会的知性の役割 / 動物における葛藤解決行動と人間研究への応用可能性
談話室:インパールを嘲えぬ“学術”のいま
書評:『自然はともだち 南沢博物誌』『里山の環境学』『稚魚の自然史 ― 千変万化の魚類学 ― 』『動物の「食」に学ぶ』『ダニの生物学』『オサムシの春夏秋冬 ― 生活史の進化と種多様性 ― 』

Vol. 53 2001―2002
No. 4
特集:生物多様性をめぐって 再燃する「生物多様性」論争 / 生物多様性パターンはどのようにして生み出されるのか? ― 中規模撹乱仮説と生産性仮説を統合する ― / 種の多様性比較のための指数の問題点 ― 不適当な指数の使用例も多い ―
総説:昆虫の精細胞に授精能はあるか?/ 疥癬 ― とくに老人医療の問題を巡って ― / “生命” は細胞により演じられる ―「細胞」の再認識 ―
書評:『農学の野外科学的研究 ―「役に立つ」研究とはなにか ― 』『生態系と農薬』『森の記憶』『森の自然史【複雑系の生態学】』『クモの生物学』『ダニの生物学』 『アブラムシの生物学』『カメムシはなぜ群れる?』 『ユスリカの世界』『群体の生物学』『ネイチャーガイド 海の甲殻類』『魚名文化圏:イワナ編』ほか2編『日本コウモリ研究誌:翼手類の自然』『虹の解体:いかにして科学は驚異への扉を開いたか』『栽培植物の進化:自然と人間がつくる生物多様性』
No. 3
特集 新生代軟体動物古生物学の最近の進展と課題 新生代軟体動物古生物学の最近の進展と課題 / 現生軟体動物の系統分類の最近の傾向 / 二枚貝類マルスダレガイ科の系統進化と殻体構造の分化 /分子系統学的にみた日本の海生軟体動物群の起源 / タカハシホタテの古生物学的意義 / 岩礁性貝類群集の古生態とタホノミー / 新生代の二枚貝類にみる生活様式と生息地の多様化 / 北西太平洋地域の古第三系貝類化石の古生物地理 / 棚倉破砕帯の Arcid - Potamid 群集 / 日本海側における鮮新世の軟体動物群と古海況 / 本邦新生代貝類群集変遷の古海洋環境的背景
No. 2
特集 三宅島の自然と噴火 学術講演会「どうなる,三宅島の自然?」開催について /「三宅島の自然と噴火」によせて / 三宅島動植物現況調査について ―「三宅島自然環境調査」実施報告 ―/ 噴火の特徴と今後 / 三宅島2000年噴火の野鳥への影響 ― 噴火開始から全島避難までの出来事 ― /鳥たちのその後 / 三宅島噴火と植生 / 講演会総合討論 /三宅島のアカネズミ/アオムシはなぜアオい? ― 植食性幼虫の生存戦略 ―
総説:昆虫卵黄蛋白質の構造と機能 ― その類似性と分子系統解析への利用 ― / 多回交尾を行なう蝶類の雌の体内における無核精子の役割
書評:『サルのことば』『未知なる地底高熱生物圏』『徳の起源 他人を思いやる遺伝子』『ゲノムが語る23の物語』『心はどのように遺伝するか:双生児が語る新しい遺伝観』『優生学と人間社会:生命科学の世紀はどこへ向かうのか』
No. 1
特集:人間への生物学的アプローチと社会・倫理 人間への生物科学的アプローチと社会・倫理 / 行動遺伝学の現状とその意味 / 進化心理学・行動遺伝学と優生学史研究の架橋に向けて/ 法と生物学との対話 / 法律はどこまで生物学で説明できるか?― 日本民法 特に家族法を素材とした試論 / 進化論的人間論での用語選択 / 人間の遺伝子研究と倫理について /「である」と「であるべし」の関係 / 霊長類学における今西錦司

Vol. 52 2000―2001
No. 4
特集:大学の生物学教育とシラバス 生物学のシラバス / 理学部における生物教育とシラバス / Web 学習の試み / 学生による授業評価をどう見るか
総説:日本産大型哺乳類の生活史からみた保全・管理の戦略 / 種子(卵)生産における大きさと数のトレードオフ / 愛知万博環境影響評価の問題点
書評:『食べる速さの生態学』『新版 昆虫採集学』『蝶の自然史 ― 行動と生態の進化学 ― 』『干潟の自然史 ― 砂と泥に生きる動物たち』『有明海の生きものたち ― 干潟・河口域の生物多様性』『放課後博物館へようこそ ― 地域と市民を結ぶ博物館 ―』『進化と人間行動』『盲目の科学者:指先でとらえた進化の謎』『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎(上・下)』
No. 3
特集 鳥獣保護法改正問題 鳥獣保護法改正問題 / 鳥獣保護法改正の有効性 / 鳥獣保護法の沿革と 1999年の改正 / エゾシカと特定鳥獣の科学的・計画的管理について / 鳥獣保護法の改正の問題点と野生生物保護法の必要性 / 鳥獣保護法改正が積み残した科学的課題
書評:『食べる速さの生態学』『カワムツの夏』『新しい自然史博物館』『パストゥール実験ノートと未公開の研究』『ミクロの社会生態学 ダニから動物社会を考える』『社会生物学』『潮間帯の生態学』『環境昆虫学:行動・生理・化学生態』『花生態学の最前線:美しさの進化的背景を探る』『多様性の植物学』『ゲノムレベルの遺伝解析 ― MAP と QTL』『鳥の渡りを調べてみたら』
No. 2
特集 博物館の21世紀 ― ナチュラルヒストリーの未来 自然史学会連合・日本学術会議50周年記念・合同シンポジウム / 自然史学会連合シンポジウム開催に寄せて /「国立科学博物館」と自然史科学 /地方博物館での自然史研究とはいったい何だろう? / 大学博物館における自然史標本と研究 / 博物館での自然史の学習 ― ハンズ・オン思潮を基本に / 博物館を背負う力 / 自然史科学フィールド・ノート:最後のトビキバアリ調査から
追悼:Hamilton 博士を悼む
書評:『哺乳類の生物学』『構造主義生物学』『生物学の歴史』『植物の進化形態学』『渓流生態砂防学』『「知恵」はどう伝わるか ― ニホンザルの親から子へ渡るもの』『オランウータンとともに 失われゆくエデンの園から(上・下)』
No. 1
特集 特定生物による生態影響 生物多様性を脅かす「緑の」生物学的侵入 / 外来魚類による生態影響 ― 霞ヶ浦はなぜ外来魚に占拠されたか / 新たに侵入している強害外来雑草の農耕地へのインパクト / シカがおよぼす生態的影響
総説:共生の分類体系:cGAT の一般生物学への応用
書評:『エイリアン・スピーシーズ ― 在来生態系を脅かす移入種たち ― 』『水辺環境の保全』『ダーウィンの箱庭 ヴィクトリア湖』『鰭脚類:アシカ・アザラシの自然史』『トドの回遊生態と保全』『藻類の多様性と系統』『ファイトテルマータ:生物多様性を支える小さなすみ場所』『霊長類学を学ぶ人のために』『人が人を殺すとき 進化でその謎をとく』『ウルトラ・ダーウィニストたちへ―古生物学者からみた進化論』『生と死のゲノム,遺伝子の未来』『「生命の起原」とロシア・ソ連』

書評:
Vol. 51 1999―2000
No. 4
特集:生物分類学は何を目指すのか?(II) 結合的種概念とシダ植物の分子 α-分類 / ヒトが種をつくる ― 種問題のもう1つの根本的解決(II)―/ 分類学の基礎(II)「形式化された分類学」の無矛盾性、完全性証明にむけて
総説:ツキノワグマは何頭以上いなければならないか ― 人口学からみた存続可能最少個体数(MVP)の試算 ― / 東南アジア地域における HIV 流行の分子疫学 ― アジアにおけるエイズ流行はいかにして形成されたか ―
書評:『ホヤの生物学』『小笠原自然年代記』『よみがえれアサザ咲く水辺』『進化論を拒む人々』『ミツバチの知恵:ミツバチのコロニーの社会生理学』
No. 3
特集:生物分類学は何を目指すのか?(I) ヒトが種をつくる ― 種問題のもう1つの根本的解決(I)― / 分類群は無くても土壌細菌群集の多様性をはかることができる / ウォルバキア 利己的遺伝子、病原体、そして相利共生者 / 分類学の基礎(I):「ERNST MAYR の分類学的推論」の形式化
総説:O157 の分子生物学 / 動物福祉からみた動物実験の将来像 / 淡水産シダ・アゾラの収集、保存および利用
書評:『利己的なサル、他人を思いやるサル』『人間機械論:発情するホモ・サピエンス』『小蛾類の生物学』『マシンの園:人工生命叙説』
No. 2
特集:兵隊アブラムシをめぐる諸問題(II) カンシャワタアブラムシのコロニー防衛術 / ツノアブラムシのゴールと社会性 / アブラムシの兵隊は不妊か?
総説:通し回遊性甲殻類モクズガニ Eriocheir japonica (de Haan) の生態 ― 回遊過程と河川環境 ― /進化は末広がりなのか? ― 甲虫類の高位分類群の歴史から見たネオダーウィニズム考 ― /ダーウィンのあどけない悪戯? 系統樹のある過剰解釈について ― 河野和男氏への批判的コメント ―
書評:『大雪山のナキウサギ裁判』『奪われし未来』『虫たちがいて,ぼくがいた』『食虫類の自然史』『動物の生態』『動物個体群の生態学』
No. 1
特集:兵隊アブラムシをめぐる諸問題(1) 真社会性動物発見ラッシュの後で /兵隊アブラムシ研究の進展と今後の展望 / 兵隊アブラムシの社会構造と真社会性の維持機構 / 兵隊アブラムシの系統と進化
総説:生命の起源についての RNA ワールド仮説は正しいか? ― 生命は蛋白質ワールドから生まれた! ―
書評:『貝のミラクル』『温暖化に追われる生き物たち』『サクラソウの目』『心の先史時代』『コウモリ 進化・生態・行動』『考えるサル』『テントウムシの自然史』

書評: